お客様は神である。否、お客というのはWin-Winの立場であり、商売が成り立ってこそのお客である。
21:00がここのお店が入っているテナントの閉店時間である。大抵、10分前から閉店作業を始めるのである。閉店まで10分前の20:50になってもお客様が帰られるそぶりがない。かと言って何かを買うそぶりでもない。そこで一声かける。
「お客様閉店のお時間なのですが、なにかお探しですか?」と。遠回しにもう帰りましょうと言ってるようなものである。
『私は、お客だ。閉店時間の21:00までまだ10分もあるのよ』と冷ややかな目線で冷たく言い放つお客様。
なにをいっているのだ?まったく買うそぶりがないじゃないか。ここで食い下がらず続けて返答をしてみる。
「ですが、そろそろお時間ですので・・・」
『私は客よ。自由にみてたっていいじゃない?客は神なのだから、尊重しなさい。』またまた返答が冷たい。
いやいや、21:00に閉まるのだから、今何か買うなら買ってもらわないとテナントが閉まってしまうんですよ。
ー結局、なにも買うわけでもなく21:00に店を出た。
完
たか